自分にも過失があるが、労災保険申請や会社への損害賠償請求はできるのか?
A.結論として、自分に過失があっても、労災保険給付は受けられます。
労災保険においては、被災労働者が故意に(わざと)負傷、疾病、障害、死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせた時には、労災保険の給付は行わないとされています。
しかし、労働災害の発生原因について、労働者自身に過失(落度、ミス)があっても、それをもって労災保険の給付請求が制限されることにはなりません。
例えば、自分でつまづいて転んでしまったとか、業務中に運転事故を起こしてしまった場合も、労働者に過失がありますが、労災の申請はできます。
A結論として、.会社に損害賠償請求できる可能性も十分にあります。
同様に、会社に対して損害賠償請求についても、被災労働者に過失があるだけで請求がまったくできなくなるわけではありません。
本当に労働者にかなり大きな過失があったとしても、労災事故の発生に会社の安全管理体制の不備が起因していたり、他の従業員の行為によって労災事故が発生したという場合には、会社に損害賠償責任が認められます。
この場合、被災労働者の過失は「過失相殺」として考慮されることはありますが、それによって、会社の責任がまったくなくなるということはありません。
過失相殺とは、例えば、50:50という場合は、労働者に過失が50%あるので、賠償金から50%引かれるという意味です。
対会社の場合は、必ずと言って良いほど過失が争いになります。
このような場合、手続きが複雑になることが考えられますので、まずは弁護士にご相談いただき、どのような請求が可能かをご検討ください。
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