休憩時間中に事業場内で起こった災害
休憩時間に事業場内にいる場合は、事業主の支配・管理下にあり、業務遂行性が認められます。
しかし、休憩時間は自由に利用することができますので、休憩時間中の行為は私的行為となるのが原則です。
そこで、休憩時間中に事業場内で起こった災害は、それが事業場施設の欠陥またはその管理の不十分さに起因する場合には、業務起因性が認められ、業務災害と認定されます。
また、休憩時間中の行為であっても、就業時間中と同様の、用便・飲水等の生理的必要行為、作業に関連する必要行為については、就業時間中の業務付随行為と同様に扱われ、これらの行為の際に発生した災害については、業務起因性が認められるのが原則です。
就業時間外に事業場内で起こった災害
就業時間外に事業場内にいる場合は、事業主の支配・管理下にあり、業務遂行性が認められます。
そして、休憩時間中の災害と同じく、就業時間外に事業場内で起こった災害についても、労働者の行為が業務に通常随伴するものである、もしくは、その災害が事業場施設の欠陥またはその管理の不十分さに起因する場合には業務起因性が認められ、業務災害と認定されます。
業務災害と認められた事例として、①オートバイで出勤し、工場の守衛所でタイムカードを打刻して進行中、工場のフォークリフトに衝突して負傷した例(昭和37年8月3日 基収(労働基準局長が疑義に応えて発する通達)4070)、②作業終了後、着替えを済ませ、出退勤確認用の名札を裏返して職場を出て、階段を下りる途中で負傷転倒した例(昭和50年12月25日 基収1724)などがあります。
反対に、業務災害と認められなかった事例として、①炭坑の坑内作業を行う労働者が作業後の帰宅途中、事業場内の欠陥の無い階段から誤って足を踏み外して転倒し負傷した例(昭和23年6月25日 基収2111)、②鉱業所の労働者が入浴等を済ませ、自己の通勤用自転車を無灯火で運転して帰宅中、事業場構内を歩行中の同僚に追突して転倒し、死亡した例(昭和37年78月31日 基収236)などがあります。
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